「民間資格だけでなく、国家資格も取得したい」
地元・兵庫県明石市の出身で、高校時代は陸上部に所属。足の故障でお世話になったカイロプラクティックの先生に憧れて高校卒業後は整体の専門学校へ。最初の就職先に選んだのは大阪府にある病院のリハビリテーション科の助手職でした。整体師の資格免許は民間資格であったため、働きながら夜間学校に通い、国家資格である理学療法士の資格も取得しようと考えたからです。そんなときに淡路島に関西総合リハビリテーション専門学校(以下KRC)が開校されることを知り、新しい学習環境で心機一転頑張ってみようと入学を決意。明石からスクールバスが出ていて、通学が楽そうだったこともあります。KRCでは医療教育はもちろん、人間関係を育む教育が充実していました。新入生宿泊研修から始まり、グループで勉強する機会が多く、各々の得意・不得意分野を補うことで、自身の適正を見極めることができました。そうして皆で協力し、第一期生はほぼ全員が国家資格に合格。私は理学療法士としての第一歩を尼崎市の病院で歩み始めました。
「働きながら知力をアップ。教員としての自覚も得る」
尼崎市の病院で3年ほど勤務したのち、スキルアップのため神戸大学に編入。正社員から非常勤に勤務スタイルを変更してもらい、理学療法士として働きながら大学に通いました。大学を卒業する際、KRCで教員をやってみないかとお声をかけていただき、平成21年からは母校へ。そうして一年が過ぎ、専任教員としての仕事にも慣れたこともあり、今度は徳島大学大学院医科学教育部に入学しました。より高度な専門知識を身につけることはもちろん、生徒達に資格を取得してからも学ぶ姿勢の必要性を見てもらえればいいなとも思っていました。教員として実際に教育に携わりながら、一方で大学院生として学ぶ、その同時体験は自分にとって大きな財産になり、「教育」の魅力を再確認することができたと思います。大学院で得た最新の医療情報やトピックスを学生にタイムリーに提供できることもよかったと思っています。
「自分の理学療法に対するスタイルは見失わないよう知識の引き出しを増やし、患者様に合った理学療法を提供し続けたい。」
リハビリテーション医学は様々な分野で研究されています。私自身も学校や医療現場で、理学療法士としての経験を養ってきました。そこで得た知識や経験を現場でいかに実践できるか。例えば、介護老健施設では筋肉の衰えを予防するための手段として集団で体操したり、脳の働きを活発化させるために歌ったり…していますが、もっと個々にあった理論的かつ実践的に解決できる治療が今後はますます重要になってくると思います。KRCでは専任教員として学生本人はもちろん、保護者の方とも話し合う機会を多く持たせていただきました。保護者面談を通して、子供に対する親の思いも勉強できたと思います。今年の4月からは地元明石の小児施設で新たな理学療法士としての道を歩みますが、障がいを持つお子さんへの親御さんの声に真摯に耳を傾け、気持ちを汲み取って、今の私ができることを果たし、認識を新たにしながら変化、発展を求めていければと考えています。
大阪にあるカイロプラクティックの専門学校に入学。卒業時、民間資格だけでは就職が厳しいことを目の当たりにし、国家資格・医療資格の取得も視野に入れるように。2004年開校されたばかりの関西総合リハビリテーション専門学校の第一期生として21歳のときに入学。
理学療法国家試験に合格、KRC卒業後は兵庫県尼崎市にある病院に理学療法士として正社員採用。3年間、勤務したのち、学士号取得を目指し、平成19年に神戸大学3回生に編入。非常勤社員として働きながら、高齢者の転倒予防について研究を深め、平成21年卒業後は母校KRCで教師としてのスタートを切る。
KRCで教師として働きながら、徳島大学大学院医科学教育部に通学。教師と大学院学生という二足の草鞋を穿いての生活をやっていけるかという不安を抱きながらも、自分のキャリアアップ、理論と実践の統一のために、修士号を取得。
KRCを退職、4月からは明石市福祉部で通園療育センターゆりかご園に勤務。小児施設で理学療法士としてリハビリテーション医療に就く。地域リハビリテーションについて、その最前線の現状と問題点の解決に取り組みたいとう意欲を持っている。
